生コンクリートは、最も広範囲に使用されている建設資材の一つです。建築物、道路、ダム、橋、トンネル、港湾等、人々の生活とは切り離せない身近なものです。

一口に生コンクリートと言っても、それぞれの用途に合わせた配合(調合)が存在し、中身は千差万別です。

供用される環境に応じてセメントの種類や骨材の大きさをを変えてみたり、特殊な効果を期待して混和剤(或いは混和材)を混ぜてみたり、爆裂防止の目的で有機繊維を混入したりと、ありとあらゆる要求性能を満足するために、何種類とは言えないほどの様々な生コンクリートが存在します。

コンクリートの種類を挙げると、寒中コンクリート、暑中コンクリート、マスコンクリート、高流動コンクリート、高強度コンクリート、繊維補強コンクリート、水密コンクリート、水中コンクリート、遮蔽コンクリート等々、もう読むのが面倒になるほどです。

良いコンクリート構造物を作るために、中性化、塩害、アルカリ骨材反応、凍害、化学的腐食、疲労、風化、火災、振動といった、環境による弊害の可能性をあらかじめ考慮して配合(調合)や設計・施工を計画する必要が有ります。

施工時は、ジャンカ、コールドジョイント、内部欠陥、表面の硬化不良といった不具合が生じないように、細心の注意を払う必要があり、生コンクリートに関連した注意点や必要な知識は広範囲にわたっています。

出てくる単語には頭が痛くなりそうです(関係者以外は、知らないでも大丈夫な言葉です)。

コンクリート構造物は人々が安心して安全に暮らせるための基盤を形成しています。

よく知られているようで実はあまりよく知られていないものは世の中に多く存在しますが、生コンクリートも、その中の一つなのかもしれません。